生物統計学 学習ノート概念・導出から実践的な解釈まで

CHAPTER 01 · TOPIC 02

データの分類

カテゴリー/数値データと、名義・順序・間隔・比率尺度の違いを整理し、統計手法の選択につなげます。

このページの内容
  1. データの性質による分類
  2. カテゴリーデータ
  3. 数値データ
  4. 測定尺度による分類
  5. なぜデータの種類が重要なのか?

統計手法を選ぶ前に、まずデータの種類を理解する必要があります。データの種類によって可能な演算が異なり、適切な要約方法、グラフ、統計手法も変わります。

データの性質による分類#

観測値が表す意味に基づき、データはまずカテゴリーデータと数値データに分けられます。

カテゴリーデータ#

カテゴリーデータ(categorical data)は質的データ(qualitative data)とも呼ばれ、観察対象の性質に基づいてグループ分けしたデータです。値は所属するカテゴリーを表し、直接加減乗除できる量ではありません。

  • 名義尺度(nominal scale):カテゴリー間に大小や順序がない。例:血液型、国籍、生物種、治療群
  • 順序尺度(ordinal scale):カテゴリー間に順序はあるが、隣り合う段階の差が等しいとは限らない。例:疼痛の程度、病期、満足度

数値データ#

数値データ(numerical data)は量的データ(quantitative data)とも呼ばれ、計数または測定によって得られる数量です。数値の大きさや差に実質的な意味があります。

  • 離散データ(discrete data):数えることで得られ、通常は飛び飛びの値をとる。例:入院回数、症例数、子どもの人数
  • 連続データ(continuous data):測定によって得られ、一定範囲内で任意の細かさの値をとり得る。例:身長、体重、血圧、体温

測定尺度による分類#

データの性質だけでなく、測定尺度によって名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度に分類することもできます。この分類では、並べ替えができるか、差が等しいか、ゼロ点に絶対的な意味があるかに注目します。

測定尺度順序差の比較ゼロ点の意味
名義尺度なし不可該当なし血液型、国籍
順序尺度あり等しいとは限らない該当なし疼痛段階、病期
間隔尺度あり等しい相対的なゼロ摂氏温度
比率尺度あり等しい絶対的なゼロ身長、体重、時間

なぜデータの種類が重要なのか?#

データの種類は、データの示し方、代表値、統計手法の選択に影響します。たとえば、カテゴリーデータは度数と割合で要約することが多く、連続データには平均値と標準偏差、または中央値と四分位範囲を用います。