CHAPTER 06 · TOPIC 01
一元配置分散分析(One-way ANOVA)
全変動を群間と群内に分解し、独立した複数群の母平均をF検定で比較します。
このページの内容
一元配置分散分析(one-way ANOVA)は、互いに独立した3群以上の母平均を一度に比較します。全変動を群間変動と群内変動に分解し、その比から群効果が偶然のばらつきより十分大きいかを判断します。
ANOVAの核:群分けをモデルとして扱う#
F統計量
H₀の下での分布
データ形式と成立条件#
| 項目 | 要件 |
| 説明変数 | 一つのカテゴリー因子(k水準) |
| 目的変数 | 平均に意味がある量的変数 |
| 標本 | 各対象は一群だけに属する独立群 |
| 帰無仮説 | すべての群の母平均が等しい |
- 観測単位が互いに独立している
- 各群の誤差が概ね正規分布する
- 各群が共通の誤差分散σ²を持つ
- 目的変数が量的で、平均比較が研究上有意義である
なぜ群内平方和を合併できるのか#
第j群の群内平方和
全群を合併
共通群内分散の推定
群内自由度
各群が同じ誤差分散を推定しているなら、群ごとの独立な誤差情報を自由度で重み付けして合併できます。この結果がMSEです。
なぜ均方の比がF分布になるのか#
群間
群内
H₀の下では両方の均方がσ²を推定するため、比は概ね1付近です。群平均が異なるとMSMが増え、Fは右側へ大きくなります。
仮説#
帰無仮説
対立仮説
同値な表現
記号と一元配置モデル#
第j群平均
総平均
母集団モデル
誤差
平方和を分解する#
群内平方和
群間平方和
全平方和
分解
自由度、均方、F検定#
| 変動源 | 平方和 | 自由度 | 均方 |
| 群間 | SSM | k−1 | SSM/(k−1) |
| 群内 | SSE | n−k | SSE/(n−k) |
| 全体 | SST | n−1 | — |
F統計量
右裾p値
自由度分解
完全な分析手順#
- 研究デザイン、独立性、因子水準、目的変数を確認
- 群別のn、平均、標準偏差、分布、外れ値を確認
- 残差と等分散性を診断し、必要ならWelch法を選択
- 平方和、自由度、均方、F、p値を計算
- 有意なら計画対比または多重性を調整した事後比較を実施
- 平均差、信頼区間、効果量、仮定と限界を報告
二群ではF=t²#
等分散を仮定した独立二群では、一元配置ANOVAとpooled t検定は同じ帰無仮説を検定します。
Pooled t
合併分散
ANOVAのMSE
群間均方
結論
ANOVAは一種類ではない#
不等分散にはWelch ANOVA、二因子なら主効果と交互作用を扱う二元配置ANOVA、複数の量的目的変数ならMANOVA、反復測定には反復測定法や混合モデルを検討します。