生物統計学 学習ノート概念・導出から実践的な解釈まで

CHAPTER 07 · TOPIC 02

Pearsonの相関係数

二つの量的変数の線形関連、回帰傾き・R²・t検定・F検定との関係を学びます。

このページの内容
  1. Pearson rの計算
  2. 使用前に確認すること
  3. 回帰傾きとの関係
  4. r²、R²、説明変動
  5. 母相関ρ=0の検定
  6. 相関検定と回帰F検定が一致する理由

Pearsonの積率相関係数rは、二つの量的変数の線形関連の方向と強さを、単位に依存しない−1~1の尺度で表します。

Pearson rの計算#

r=(XiXˉ)(YiYˉ)(XiXˉ)2(YiYˉ)2r=\frac{\sum(X_i-\bar X)(Y_i-\bar Y)}{\sqrt{\sum(X_i-\bar X)^2}\sqrt{\sum(Y_i-\bar Y)^2}}
共分散による表現r=sXYsXsYr=\frac{s_{XY}}{s_Xs_Y}
範囲1r1-1\le r\le1

正なら同方向、負なら逆方向、絶対値が1に近いほど直線上に強く並びます。r=0は線形関連がないことを示すだけで、曲線関係まで否定しません。

使用前に確認すること#

  • 両変数が量的
  • 散布図で概ね線形
  • 観測が独立
  • 外れ値や群の混合がrを支配していない
  • 推論では二変量正規性または妥当な大標本近似

回帰傾きとの関係#

b1=rsYsXb_1=r\frac{s_Y}{s_X}

rは尺度不変ですが、傾きはY単位/X単位を持ちます。符号は同じでも、同じrが同じ実質効果を意味するとは限りません。

r²、R²、説明変動#

単回帰r2=R2=SSRSSTr^2=R^2=\frac{SS_R}{SS_T}
百分率100r2%100r^2\%

切片を含む単回帰ではr²はYの全変動のうち線形モデルが説明する割合です。rそのものを百分率として解釈しません。

母相関ρ=0の検定#

両側仮説H0:ρ=0,H1:ρ0H_0:\rho=0,\qquad H_1:\rho\ne0
t統計量t=rn21r2t=\frac{r\sqrt{n-2}}{\sqrt{1-r^2}}
自由度df=n2df=n-2

相関検定と回帰F検定が一致する理由#

平方和との関係r2=SSRSSTr^2=\frac{SS_R}{SS_T}
tの二乗t2=r2(n2)1r2t^2=\frac{r^2(n-2)}{1-r^2}
Fへの変形t2=SSR/1SSE/(n2)=Ft^2=\frac{SS_R/1}{SS_E/(n-2)}=F