CHAPTER 07 · TOPIC 05
決定係数R²
回帰モデルが説明する変動割合、r²・F・tとの関係、R²の限界を学びます。
決定係数R²は、切片を含む回帰モデルがYの全変動のうちどの割合を標本内で説明したかを表します。モデル適合の一側面であり、因果性・予測精度・モデル妥当性そのものではありません。
平方和分解
決定係数
同値式
なぜSSRをSSTで割るのか#
SSTは平均だけを使う基準モデルに対するYの総ばらつき、SSRは回帰が説明した部分、SSEは残った部分です。したがってR²は説明済み部分÷全体、1−R²は未説明部分の割合です。
読者に分かる表現#
R²=0.64なら「この標本では、モデルがYの観察変動の64%を説明した」と表現します。「Yの64%をXが引き起こした」「予測が64%正しい」とは言いません。
範囲と例外#
通常の最小二乗法で切片を含み、同じデータ上で評価すればこの範囲です。切片なしモデル、異なる定義、外部検証の予測R²では負値もあり得ます。
単回帰でR²=r²になる理由#
傾き
回帰平方和
代入
R²、t、Fのつながり#
単回帰F
平方和
R²によるF
単回帰
高いR²でもモデルが適切とは限らない#
- 曲線を直線で当てても範囲が広ければR²が高くなり得る
- 外れ値一つがR²を押し上げ得る
- 不要な説明変数を加えると通常R²は低下しない
- 高R²でも残差の不等分散・依存・非正規性は残り得る
- 標本内R²は新規データの予測性能を保証しない
- 低R²でも重要な小効果を精確に推定できる場合がある