CHAPTER 07 · TOPIC 01
単回帰分析
最小二乗法、残差、平方和分解、係数検定、予測を通して一説明変数の線形モデルを学びます。
このページの内容
単回帰分析は、一つの量的説明変数Xと量的目的変数Yの線形関係をモデル化します。関連の方向と大きさを傾きで表し、平均応答の説明や新しい観測値の予測に使います。
答えられる問い#
- Xが1単位増えるとYの平均がどれだけ変わるか
- 線形関係が0と異なる証拠があるか
- モデルがYの変動をどの程度説明するか
- 指定したXで平均応答または個別値を予測できるか
散布図と残差から始める#
曲線、群分け、外れ値、高レバレッジ点、ばらつきの変化を先に確認します。各点の観察値と回帰線との差が残差です。
母集団モデルと標本回帰直線#
母集団モデル
Xを固定した母平均
標本推定直線
標本残差
切片と傾きの解釈#
β₁はXが1単位増えたときのY平均の変化量です。β₀はX=0での平均ですが、0が観測範囲外または実質的意味を持たない場合は無理に解釈しません。中心化すると切片を観測範囲内へ移せます。
最小二乗法#
傾き
切片
モデルの成立条件#
- XとY平均の関係が線形
- 観測値・誤差が独立
- Xの各水準で誤差分散が一定
- 係数の小標本推論では誤差が概ね正規
- 強い外れ値や影響点が結果を支配しない
誤差平均
等分散
正規誤差
Yの変動をモデルと誤差へ分ける#
全平方和
回帰平方和
誤差平方和
分解
回帰ANOVA表と全体F検定#
| 変動源 | 平方和 | 自由度 | 均方 |
| 回帰 | SSR | 1 | SSR/1 |
| 誤差 | SSE | n−2 | SSE/(n−2) |
| 全体 | SST | n−1 | — |
帰無仮説
F統計量
H₀下
自由度がn−1、1、n−2になる理由#
総偏差は平均推定に1自由度を使います。回帰部分は一つの傾きで決まり1自由度、残差は切片と傾きの二母数を推定するためn−2自由度です。
残差和
Xとの直交
誤差自由度
残差標準偏差と係数検定#
残差標準偏差
Xの平方和
切片の標準誤差
傾きの標準誤差
切片検定
傾き検定
傾き検定でF=t²#
tの二乗
分子
分母
結論
説明と予測を区別する#
指定Xでの平均応答の信頼区間は母平均線の不確実性を表します。新しい個体の予測区間には個体誤差も加わるため常に広くなります。観測範囲外への外挿は線形関係の保証がなく慎重に扱います。
- 散布図と研究デザインを確認
- 係数と信頼区間を推定
- 残差・影響点・線形性・等分散性を診断
- F、傾きt、p値、R²、残差標準偏差を報告
- 関連を因果とせず、予測対象と適用範囲を明示