CHAPTER 02 · TOPIC 09
ポアソン分布
一定区間内の発生回数、母数λ、二項分布からの極限、指数分布との関係を学びます。
ポアソン分布(Poisson distribution)は、一定の時間、面積、体積、その他の区間内に事象が起こる回数Xを記述する離散型確率分布です。
どのような場合に使うか?#
- Xが固定区間内の発生回数を数える
- 事象がほぼ一定の平均発生率で起こる
- 重ならない区間の発生回数を独立とみなせる
- 非常に短い区間で2回以上起こる確率を無視できる
母数λは何を表すか?#
λは選んだ観察区間内の期待発生回数です。単位区間あたりの平均発生率をr、観察区間の長さをtとするとλ=rtであり、区間の長さを変えればλも変わります。
| 記号 | 意味 |
| X | 選んだ区間内の発生回数 |
| x | Xの可能値 |
| λ | 選んだ区間内の期待発生回数 |
| r | 単位区間あたりの平均発生率 |
| t | 観察区間の長さ |
確率質量関数#
Xは非負整数だけをとるため、連続型の確率密度関数ではなく確率質量関数を使います。次の式は区間内にちょうどx回事象が起こる確率です。
| 式の部分 | 意味 |
| P(X=x) | 固定区間内でちょうどx回起こる確率 |
| e^(−λ) | 区間内で一度も起こらない確率 |
| λ^x | x回の事象と平均発生回数に関する部分 |
| x! | x回事象の順序を調整する階乗項 |
λは分布の形をどう変えるか?#
λが小さいと確率は0と少数回へ集中して右に歪みます。λが増えると中心は右へ移り、範囲が広がって相対的な歪みが減ります。図の点がXの実際の整数値で、線は同じ分布の点を見分けやすくするだけです。
平均と分散が等しい#
ポアソン分布では期待値と分散がともにλです。λが増えると平均回数だけでなく絶対的な変動も増え、標準偏差は√λになります。
よく使う確率#
事象が一度も起こらない確率は特に重要で、補事象から少なくとも一度起こる確率を直ちに求められます。
補足:二項分布からポアソン公式を導く
第1段階:観察区間を多数の小区間へ分ける
全区間で平均λ回事象が起こるとし、n個の短い区間へ分けます。nが大きいと各区間の発生確率は約λ/nで、2回以上起こる確率を無視できるため、一時的に二項試行として扱えます。
第2段階:個別に極限をとれる部分へ分解する
第3段階:三つの極限を求める
xを固定したままnを大きくします。排列比は1へ、指数極限はe^(−λ)へ、固定指数の補正は1へ近づきます。
二項分布による近似#
二項分布でnが大きくpが小さく、λ=npが適度な大きさなら、成功回数をPoisson(λ)で近似できます。多数の機会のうち少数だけ起こる事象に適します。
指数分布との関係#
発生率rのポアソン過程では、長さt内の発生回数N(t)はPoisson(rt)、次の事象までの待ち時間TはExp(r)に従います。一方は回数を、他方は間隔を測ります。
独立なポアソン回数は加算できる#
異なる発生源の回数が独立なら、総回数もポアソン分布に従い、母数は各発生源の母数の和です。異なる時間帯、地域、発生源の計数を自然に統合できます。