CHAPTER 05 · TOPIC 06
Fisherの正確確率検定
固定した周辺度数の下で超幾何確率を使い、小標本2×2表を正確に検定します。
Fisherの正確確率検定は、2×2表の行・列の周辺度数を固定した条件下で、帰無仮説に適合する各表の確率を超幾何分布から直接計算します。大標本近似に依存しないため、小標本や期待度数が小さい場合に重要です。
周辺度数を固定すると一セルだけが自由#
周辺度数
aから他セルを決定
aの最小値
aの最大値
観察された表の正確確率#
超幾何確率
階乗表示
N個のうち第1行へ入るR₁個の選び方が分母です。第1列からa個、第2列からR₁−a個を選ぶ組合せが分子になり、周辺度数を保つ表の確率が得られます。
片側p値#
右側
左側
どちらの尾が対立仮説を支持するかは、行・列の配置と事前に定めた効果方向で決まります。データを見てから小さい方の片側p値を選びません。
両側p値#
全表を列挙する手順#
- 観察表からR₁、R₂、C₁、C₂、Nを計算
- a_minからa_maxまで可能なaを列挙
- 各aについてb、c、dと超幾何確率を計算
- 対立仮説に応じて片側または両側の極端な表を定義
- 該当する確率を合計してp値を得る
Pearson、Yates、Fisherの比較#
| 方法 | 統計的基礎 | 近似 | 典型的用途 |
| Pearson χ² | Σ(O−E)²/E | カイ二乗近似 | 十分な期待度数 |
| Yates χ² | Σ(|O−E|−0.5)²/E | 補正したカイ二乗近似 | 小さめの2×2表、保守的推論 |
| Fisher正確 | 条件付き超幾何分布 | 不要 | 小標本・疎な2×2表 |
Fisher検定のp値が正確でも、効果推定に不確実性がないわけではありません。ORと適切な信頼区間、セル度数を併記し、条件付き推論であることを理解して報告します。