CHAPTER 05 · TOPIC 07
McNemar検定
対応のある二値データの不一致ペアから、二方向の変化確率と周辺比率を比較します。
McNemar検定は、同じ対象の前後測定やマッチしたペアなど、対応のある二値データで周辺比率が等しいかを検定します。通常の2×2独立性検定と異なり、情報を持つのは結果が変化した不一致ペアだけです。
対応のある2×2表#
| 測定1\測定2 | 陽性 | 陰性 |
| 陽性 | a:陽性→陽性 | b:陽性→陰性 |
| 陰性 | c:陰性→陽性 | d:陰性→陰性 |
aとdは変化していない一致ペアです。bとcは互いに反対方向へ変化した不一致ペアで、H₀はこの二方向が同程度に起こると主張します。
仮説と条件付き二項分布#
帰無仮説
対立仮説
不一致ペアに限定
不一致ペア総数
H₀下の分布
Z統計量の導出#
H₀下の平均と分散
標準化
n=b+cを代入
簡略化
McNemarカイ二乗統計量#
両側検定ではZを二乗したχ²を使えます。bとcの差が不一致ペア総数に比べて大きいほど、周辺比率が等しいというH₀に反します。
正確McNemar検定#
b+cが小さい場合はB~Binomial(b+c,1/2)を直接用います。離散分布なので両側p値の定義やmid-pを使うかを明記します。
連続性補正#
補正Z
補正McNemar統計量
bの二項尺度で0.5を引くと、b−cの差の尺度では1を引く形になります。補正はより保守的ですが、小さい不一致数では正確二項法の方が直接的です。
独立性検定との違い#
| 項目 | Pearson独立性検定 | McNemar検定 |
| データ | 独立した個体の二変数 | 対応・反復測定された二値結果 |
| H₀ | 二変数が独立 | 二方向の変化確率/周辺比率が等しい |
| 使うセル | 全セル | 不一致セルb、c |
| 大標本統計量 | Σ(O−E)²/E | (b−c)²/(b+c) |
実施と報告の手順#
- ペアの定義と二値結果の符号化を確認
- a、b、c、dを作り、特に不一致数b+cを確認
- H₀、両側/片側、αを事前設定
- 不一致数が十分なら未補正または補正χ²、小さければ正確二項法を選択
- bとc、各時点の比率、変化量、p値、使用法を報告
- 欠測やペア脱落が結果へ与える影響を検討