生物統計学 学習ノート概念・導出から実践的な解釈まで

CHAPTER 04 · TOPIC 04

対応のあるt検定

一対一に対応する測定値から差を作り、その平均差を検定する方法を学びます。

このページの内容
  1. 対応のある標本とは?
  2. 各対の差を先に計算する
  3. 仮説
  4. 検定手順
  5. 対応のある分散分析との関係

対応のあるt検定は、二つの関連する標本の数量変数の平均差を調べます。各観測を一対一で対応させ、各対の差を作って、その母平均が0かを検定します。

対応のある標本とは?#

関係
同じ対象を2回測定訓練前後、二条件への評価
自然な対一卵性双生児、夫婦
条件を合わせたマッチング類似する対象を対にして異なる処置へ割付

各Xᵢには明確なYᵢが必要で、任意に組み替えてはいけません。

各対の差を先に計算する#

第i対の差di=XiYid_i=X_i-Y_i
平均差dˉ=1ni=1ndi\bar d=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}d_i
差の標準偏差sd=i=1n(didˉ)2n1s_d=\sqrt{\frac{\sum_{i=1}^{n}(d_i-\bar d)^2}{n-1}}
対応のあるt統計量t=dˉμd,0sd/n,ν=n1t=\frac{\bar d-\mu_{d,0}}{s_d/\sqrt n},\qquad \nu=n-1

仮説#

両側H0:μd=0,H1:μd0H_0:\mu_d=0,\qquad H_1:\mu_d\ne0
右側H0:μd0,H1:μd>0H_0:\mu_d\leq0,\qquad H_1:\mu_d>0
左側H0:μd0,H1:μd<0H_0:\mu_d\geq0,\qquad H_1:\mu_d<0

差の符号はX−Yの順序で決まります。順序を逆にするとtの符号は逆になりますが、両側p値は変わりません。

検定手順#

  1. 正しく一対一対応できることを確認
  2. 差の向きを固定してdᵢを計算
  3. d̄、s_d、t、df=n−1を計算
  4. t分布からp値を求めて判断

対応のある分散分析との関係#

二つの対応条件だけなら一元配置反復測定分散分析も使え、同じ仮説に対して同じ有意性結論となります。

F=t2F=t^2